泣きながら ~9回目の逢瀬
やっと 起きて
支度をする
大事な日のために 用意しておいた 白とピンクのレースの下着
恥ずかしくて つけられなかった ガーターベルト
主のお好きな ガーターストッキング
今日で 最後 悔いの無いように
心の中で そう 繰り返しながら
いつもより 丁寧に化粧する
結局 仕事のできる時間ではなくなってしまったから
そのまま 駅へ向かう
いつも 急いで 駐車券や 鍵や チケットを 探しまくるから
今日は そんなことはないように 慎重に 丁寧に
新幹線の駅に着く頃 主から メールをいただく
新幹線の中は 移りゆく景色を 眺めているんだろうと
思っていたけど
何故か
主と ずっと メールを交換していた
東京マラソンがあって
その話
お家にいらっしゃるの? 会社?
メールをしていたら
不安も 今日の これからのことも
何も考えずに主の街に着く
乗り継いで 待ち合わせの場所へ
中には入れず 外でお待ちしていると
○○を背にして右に向かって歩いて
と主からメールが
えーと、○○が背で右って・・・
な~んてやっているうちに 主が 目の前を通る・・・
ちらっと こちらを 見てくださる 主
急いで 後に 続く
何で 中で待っていなかったの?
答えに戸惑う
答えろ
えーと、 外で お待ちしたかったから
くすっと 笑われる
お腹空いてない?
何か 買ってく?
次々と 言われ
主と 思えるとか 思えないとか
そんなこと あの時の 主と私には 何も意味のないことだった
私を 大事にしてくださる主と
主のお側でどきどきしながらるんるんの自分が居ただけだった